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23 万人の来場者で 賑わった カスタムカーの祭典、 「 東京オ ートサロン 2024 」

 2024年1月12日(金)、13日(土)、14日(日)の3日間、カスタムカーと関連製品の世界最大級展示会、「東京オートサロン2024」が幕張メッセで開催されました。今回のカスタムカーの祭典、東京オートサロン2024には出展企業378社、出展車両893台、そして3日間の会期を通じて来場者が23万人以上となりパンデミック前の賑わいが戻ってきました。

 2024年の東京オートサロン(TAS)は、1983年に「東京エキサイティングカーショー」 としてスタートしてから42回目を迎え、自動車メーカーや有名カスタムショップからのチューニングカーやドレスアップカーの展示と共に自動車リサイクル部品やリビルト部品を含めた様々な自動車用品・部品やグッズが展示・販売されました。また会場では、同乗試乗会などの参加体験型コンテンツや人気アーティストによるライブステージなどもあり、自動車ファンばかりでなく女性や家族連れなども楽しめた三日間でした。

 東京オートサロンは、いまや国境を越えてユーザーの多様なニーズに応えるための最新アフターマーケット製品の国際イベントとなり、アジアの新興国を中心に世界各国から約1000のメディアが取材に訪れました。
 自動車アフターマーケットのグローバル化に伴って、現在はシンガポールやバンコク、2023年にはマレーシアでも「東京オートサロン」が初開催されるなど、さらに世界から注目を集めるカスタムカーショーへと成長しています。

 東京オートサロンには新品の自動車用品・部品やグッズ以外に、「アップガレージ」のように自動車リサイクル部品やリビルト部品を展示・販売している出展社もあります。今回の出展社の中で目新しく製品は、日産シルビア(S 15型)やスカイライン(R33s型およびR34型)、トヨタスープラなどの黄ばみやクスミで劣化したヘッドライトレンズの「リペアーレンズキット」です。

 現在のヘッドライトは、プラスチック製レンズのため紫外線や経年変化によるレンズの黄ばみやクスミ、劣化は避けられません。そこで、新潟県新潟市の「(有)ワイズスクウェア」は、ヘッドライトの「リペアレンズキット」と称してヘッドライトのレンズのみを販売する企業です。このヘッドライトレンズに使われているプラスチック素材は、メーカー純正品よりも耐熱性や耐光性に優れたポリカーボネイト素材を使用し、またレンズ交換の際に取付けゴム類もすべて新品が付属され、レンズ交換による水漏れやレンズの曇りなどが発生しないのも良いですね。多くのヘッドライトのリサイクル部品を扱う自動車リサイクル事業者の新たなビジネスとして展開できそうなアフターマーケット製品と思います。

 毎年、東京オートサロンの中で高い注目を集め、出展社がしのぎを削るのが、「東京国際カスタムカーコンテスト」です。

 今年の東京国際カスタムカーコンテスト2024の「ドレスアップ・セダン部門」には、2023年1月発売以来、優れたデザイン性と走行性能で年齢層に関わらず高人気を続けている新型トヨタプリウスをベースにしたKUHL JAPANの「PRIUS 60R-GTW WIDE BODY」が最優秀賞に輝きました。この「PRIUS 60R-GTW WIDE BODY」は、新型60プリウスにゴールドカラーとオリジナリティー溢れるワイドなボディーが特徴的で、シンプルなスタイルの60プリウスを見事に先鋭的なカスタムカーへと作り上げています。

 次に、東京国際カスタムカーコンテスト2024の「コンセプトカー部門」には、TOYOTA GAZOO Racingから出展の「LEXUS LBX MORIZO RR CONCEPT」が最優秀賞に輝きました。初日のカンファレンスで、「私の愛車達です!」とモリゾウさんにより紹介された「LEXUS LBX MORIZO RR CONCEPT」は、モリゾウさんが常々くり返す「もっといいクルマづくり」という考えをふんだんに盛り込んだハイパフォーマンス車両で、エンジン(304馬力、トルク400Nm)とパワートレーン(8速DAT)を採用したほぼ競技に即採用できる「羊の皮を被った狼」と言えるでしょう。

 ちなみに、クルマ好きで知られるモリゾウさんは社長でも会長でもなく、普通のクルマ好きおじさんとして今回の東京オートサロン2024に参加し6台の愛車を展示していました。現在社会に欠かせない熱力学や機械力学、流体力学など様々な基礎工学を築き上げたエンジン(内燃機関)黎明期のパイオニア達と同じく、日本の匠の技で環境にやさしい新たなエンジンづくりに情熱を傾けるモリゾウさんを心から応援しています。

 さらに、東京国際カスタムカーコンテスト2024の 「ドレスアップ・スポーツカー部門」には、風間オートサービスから出展の「 GR86カーボンスペック」が最優秀賞に輝きました。 風間オートサービスは、86/BRZのワンメイクイベントを主催するなど、同車のカスタムシーンをリードする存在として知られています。今回最優秀賞に輝いたGR86フルチューニング車は、車重は推定1200kgに最高出力1000psを誇るエンジンが搭載され、ボディー外板のほとんどをカーボン素材に変更した前後フェンダーは片側40mmのワイドボディ仕様です。しかも、風間オートサービス独自のVaRTM工法で高い強度を保ちながら低コストでのカーボンファイバー製品の製造を可能にしているそうです。

 そして最後に、東京国際カスタムカーコンテスト 2024の「ドレスアップ・コンパクトカー部門」には、ALPINE STYLEから出展のスズキジムニーシエラをベースにした「Beas+」が最優秀賞に輝きました。ALPINE STYLEは、カーオーディオやカーナビゲーションシステムのトップブランド、アルプスアルパイン(株)が関わるカスタムカーメーカーして知られ、1970~80年代のアメリカ・カリフォルニアを感じさせるカスタムカーを東京オートサロンに出展してきました。今年はそのブランド名を「Cal’s Motor(キャルズモーター)」と変更してスズキジムニー&ジムニーシエラをベースにカリフォルニアの海岸線を走るネオクラシックなアメリカンSUVをイメージしたデザインが特徴です。「Beas+(ベアスプラス)」は、メッキ仕上げのフロントグリル&バンパーに加え、キャルズモーターのこだわりである角型ヘッドライトやLEDデイライトを装着し、逆スラント形状のノーズ部分も印象的で、その価格は318万円(5MT)〜328万円(4AT)だそうです。購入は東京オートサロン2024会場のほか、全国7店舗のアルパインスタイルで予約が可能だそうです。東京国際カスタムカーコンテスト 2024の「ドレスアップ・SUV部門」で優秀賞に輝いた日本自動車大学校NATSの 「JIMNY J1」 のような高度な技術で大改造されたスズキジムニーと異なりますが、アメリカン西海岸ファンには実用的なカスタムカーです。

 東京オートサロンでは以前よりeモータースポーツの活動機会を提供してきましたが、今回は「eスポーツエクスペリエンス」と題して、さまざまなeモータースポーツのプログラムが用意されていました。

 eモータースポーツ国内最大級のシリーズとして2019年に発足した「JEGT(Japan Electronic sports Grand Touring)」は、賞金総額500万円をかけ、プロレーシングチームや自動車関連企業チームなどが多数参戦する公式シリーズとして注目を集めています。そのJEGT 2023シリーズトップリーグ最終戦(第3戦)が、昨年に引き続いてこの東京オートサロンの会場でオフラインレースとして開催されました。使用するコースはモンツァ・サーキット、解説には谷口信輝さんと西澤健太さん、実況は鈴木学さんという布陣で行われました。

(副理事長 郷古)

 

 

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